# GA4の使い方——見るべき数字と改善アクション|「全部見なくていい」が正解

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| 初心者向け | ★★★★☆(4.0) |

| 重要度 | ★★★★★(5.0) |

| 難しさ | ★★★☆☆(3.0) |

GA4を開いて、3秒で閉じた経験はないだろうか。

俺はある。何度もある。

旧UA(ユニバーサルアナリティクス)では「直帰率」と「ページビュー」を見るだけで仕事した気になれた。

GA4になって、管理画面の構造が変わり、指標の名前が変わり、レポートの場所が変わった。

『何を見ればいいのか分からない』という声を、クライアントから月に10回は聞く。

結論から言う。GA4で見るべき数字は5つだけだ。

この記事では、その5つの数字と、数字を見た後にやるべき改善アクションをセットで書く。

GA4が「難しい」と感じる本当の理由

UAとGA4は別のツールだと思え

まず前提を共有しておく。

GA4はUAの「アップグレード版」ではない。設計思想がまるで違う。

UAは「ページ」を中心に計測していた。

ユーザーがページAを見て、ページBに移動して、離脱した。この動きを記録するツールだった。

GA4は「イベント」を中心に計測する。

ページの閲覧もイベント。ボタンのクリックもイベント。スクロールもイベント。すべてが「イベント」という単位で記録される。

この設計変更が、UAに慣れた人を混乱させている原因だ。

UAの感覚で「ページビュー数はどこ?」「直帰率はどこ?」と探すから迷子になる。

GA4には「直帰率」の代わりに「エンゲージメント率」がある。ページビューはあるが、それ以上に重要な指標が増えている。

「全部見よう」とするから挫折する

GA4のレポート画面を開くと、左メニューにこれだけある。

  • レポートのスナップショット
  • リアルタイム
  • ライフサイクル(集客・エンゲージメント・収益化・維持率)
  • ユーザー(属性・テクノロジー)
  • 探索

真面目な担当者ほど、全部を理解しようとする。

そして挫折する。

断言する。全部見なくていい。

最初に見るべきレポートは3つ。追うべき数字は5つ。

それだけで改善のアクションは十分に取れる。

「この数字だけ見ろ」——GA4で追うべき5つの指標

指標1:エンゲージメント率

GA4で最も重要な指標がこれだ。

エンゲージメント率は「意味のあるセッションの割合」を示す。

GA4における「エンゲージメントのあるセッション」の定義は以下の3つのいずれかを満たすもの。

  • 10秒以上サイトに滞在した
  • 2ページ以上閲覧した
  • コンバージョンイベントが発生した

つまり、サイトに来て何かしらの行動を取ったセッションの比率だ。

確認場所: レポート → エンゲージメント → 概要
目安の数字:

| サイトの種類 | エンゲージメント率の目安 |

|:————|:——————–|

| コーポレートサイト | 50〜65% |

| ECサイト | 55〜70% |

| ブログ・メディア | 45〜60% |

| LP(ランディングページ) | 35〜55% |

この数字が低い場合、ユーザーはサイトに来て「すぐ帰っている」ということだ。

コンテンツの質か、流入元とのミスマッチか、ページの表示速度か。原因を切り分ける必要がある。

改善アクション:

  1. エンゲージメント率が低いページを特定する(ページとスクリーン → ランディングページの列でソート)
  2. そのページの流入元を確認する(集客 → トラフィック獲得)
  3. 流入元とページの内容にズレがないかチェックする
  4. ズレがあれば、ページの冒頭コピーを修正する。ズレがなければ、ページの読みやすさ・表示速度を改善する

指標2:セッションあたりのイベント数

ユーザーがサイト上でどれだけ「動いた」かを示す数字だ。

ページ閲覧、スクロール、クリック、動画再生——すべてがイベントとしてカウントされる。

セッションあたりのイベント数が多いほど、ユーザーはサイト内で積極的に行動していると判断できる。

確認場所: レポート → エンゲージメント → 概要(セッションあたりのイベント数)
目安の数字:

一概には言えないが、コーポレートサイトなら10〜15件、ECなら15〜25件が目安だ。

ただし、この数字は業種やサイト構造で大きく変わるため、「自社の過去データと比較する」のが正しい使い方になる。

改善アクション:

  1. 先月のデータと比較して、増減を確認する
  2. 減少している場合、新しく公開したページや変更したデザインが影響していないかチェック
  3. 特定のページでイベント数が極端に少ない場合、CTA(行動喚起)のボタンやリンクの配置を見直す

指標3:コンバージョン数(キーイベント数)

GA4では2024年から「コンバージョン」が「キーイベント」に名称変更された。

呼び方が変わっただけで、中身は同じだ。

問い合わせフォームの送信、資料請求、電話タップ、購入完了——ビジネスの成果に直結するアクションの件数。

ここで重要なのは、GA4はコンバージョンを「自分で設定しないと計測されない」という点だ。

UAからの移行で、コンバージョン設定を忘れているケースが驚くほど多い。

俺が担当したあるクライアントは、GA4に移行して半年間、コンバージョン設定をしていなかった。

半年分のデータがただの「ページ閲覧記録」で終わっていた。もったいないなんてレベルじゃない。

コンバージョン(キーイベント)の設定手順:

  1. GA4の管理画面 → イベント → 既存イベントの一覧を確認
  2. 「問い合わせ完了」「購入完了」に相当するイベントがなければ、カスタムイベントを作成する
  3. 作成したイベント → 「キーイベントとしてマーク」をオンにする
  4. GTM(Google Tag Manager)と連携している場合は、GTM側でトリガーとタグを正確に設定する

設定すべきコンバージョンの例:

| ビジネスの種類 | 設定すべきコンバージョン |

|:————-|:——————–|

| BtoBサービス | フォーム送信、資料DL、電話タップ |

| EC | 購入完了、カート追加、会員登録 |

| 店舗ビジネス | 予約完了、電話タップ、MAP表示クリック |

| メディア | 会員登録、メルマガ登録、特定ページ到達 |

改善アクション:

  1. まずコンバージョンが正しく計測されているか確認する(リアルタイムレポートでテスト送信)
  2. コンバージョン数を流入チャネル別に分解する(集客 → トラフィック獲得で「キーイベント」の列を確認)
  3. コンバージョン率が高い流入元に予算を集中する。低い流入元は改善するか撤退する

指標4:ユーザーの流入経路(デフォルトチャネルグループ)

「ユーザーがどこから来ているか」の全体像を把握する指標だ。

GA4では流入経路が以下のチャネルに分類される。

| チャネル | 意味 |

|:——–|:—–|

| Organic Search | GoogleやYahooの自然検索 |

| Paid Search | リスティング広告(検索広告) |

| Direct | ブックマーク・URL直打ち |

| Referral | 他サイトからのリンク |

| Organic Social | SNSからの自然流入 |

| Paid Social | SNS広告 |

| Email | メルマガ経由 |

| Display | ディスプレイ広告 |

確認場所: レポート → 集客 → トラフィック獲得

この画面を開いたら、まず「セッション」の列でソートする。

どのチャネルからの流入が多いか、一目で分かる。

次に「キーイベント数」の列を見る。

流入は多いがコンバージョンが少ないチャネルは、「ユーザーの質」か「受け皿(LP)の質」に問題がある。

改善アクション:

  1. 流入が多い上位3チャネルを特定する
  2. 各チャネルのコンバージョン率(キーイベント率)を比較する
  3. コンバージョン率が高いチャネルに追加投資する
  4. コンバージョン率が低いチャネルは、LPの変更 or チャネル自体の見直しを検討する
  5. 「Direct」の割合が高すぎる場合は、UTMパラメータの設定漏れを疑う

ちなみに、「Direct」が全体の50%を超えている場合、UTMパラメータが正しく設定されていない可能性が高い。

メルマガやSNS投稿にUTMを付けていないと、すべて「Direct」に分類される。これではデータの意味がない。

指標5:ランディングページ別パフォーマンス

ユーザーが最初にたどり着くページごとの成績表だ。

確認場所: レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン(ランディングページの列を追加)

ここで見るべきは3つの数字だ。

  • セッション数(そのページに何人来ているか)
  • エンゲージメント率(来た人のうち、何%が行動したか)
  • キーイベント数(何件のコンバージョンが発生したか)

この3つの掛け算がビジネスの成果になる。

改善アクション:

  1. セッション数が多い上位10ページを抽出する
  2. その中でエンゲージメント率が低いページを特定する(これが「漏れバケツ」)
  3. エンゲージメント率が低いページのファーストビュー(最初に見える画面)を見直す
  4. セッション数は少ないがコンバージョン率が高いページがあれば、そのページへの流入を増やす施策を打つ

この「漏れバケツ」の発想が大事だ。

広告費を増やしてアクセスを増やしても、バケツに穴が空いていたら水は溜まらない。

まず穴を塞ぐ。そのためにランディングページ別のデータを見る。

GA4の探索レポートを使いこなす——3つの実践テンプレ

標準レポートで全体像を把握したら、次は「探索」だ。

探索レポートはGA4の真骨頂と言っていい。自分が見たいデータを、自分の切り口で分析できる。

ただ、最初は白紙の画面が出て『何をすればいいのか分からない』となる。

だから、実践ですぐ使えるテンプレートを3つ紹介する。

テンプレ1:コンバージョン経路分析

「コンバージョンしたユーザーは、どんなページを経由したのか?」を見る。

設定手順:

  1. 探索 → 「空白」で新規作成
  2. 手法は「自由形式」を選択
  3. ディメンションに「ページタイトルとスクリーン名」を追加
  4. 指標に「キーイベント数」「セッション」を追加
  5. フィルタで「キーイベント数 > 0」に設定
  6. 行に「ページタイトルとスクリーン名」をドラッグ

これで「コンバージョンが発生したページ」が一覧で表示される。

どのページがコンバージョンに貢献しているかが見える。

活用ポイント:

コンバージョンが多いページの構成や訴求内容を、他のページにも横展開する。

逆に、アクセスは多いがコンバージョンゼロのページは、CTAの配置や導線を改善する。

テンプレ2:ユーザーセグメント比較

「コンバージョンしたユーザー」と「しなかったユーザー」を比較する。

設定手順:

  1. 探索 → 「空白」で新規作成
  2. セグメントの「+」をクリック
  3. 「ユーザーセグメント」を選択
  4. 条件に「キーイベント名 = (自分のCV名)」を設定 → 保存(これがCVユーザー)
  5. もう1つセグメントを作成。条件を「キーイベント名 ≠ (自分のCV名)」に設定 → 保存(非CVユーザー)
  6. 2つのセグメントを比較対象にセット
  7. ディメンションに「デバイスカテゴリ」「最初のユーザーの参照元」を追加
  8. 指標に「セッション」「エンゲージメント率」を追加

活用ポイント:

CVユーザーと非CVユーザーで、デバイス・流入元・閲覧ページにどんな違いがあるかを見る。

「CVユーザーはPCからの流入が80%」と分かれば、PC向けの広告配信を強化する判断ができる。

俺が担当したBtoB企業では、この分析で「CVユーザーの90%がOrganic Search経由」と判明した。

それまでSNS広告に月20万円使っていたが、SEOに予算を振り替えたところ、3ヶ月でCV数が1.5倍になった。

テンプレ3:ページ遷移分析(経路探索)

「ユーザーがサイト内をどう動いているか」を可視化する。

設定手順:

  1. 探索 → 「経路データ探索」を選択
  2. ステップ1に「ランディングページ」を設定
  3. ステップ2以降に「ページタイトルとスクリーン名」を設定
  4. 特定のランディングページに絞りたい場合は、フィルタを使う

活用ポイント:

「トップページから次にどこに行くか」「サービスページの次に料金ページを見ているか」などの導線が分かる。

意図した導線にユーザーが乗っていなければ、ナビゲーションやページ内リンクの配置を見直す。

例えば、サービスページ → 料金ページ → 問い合わせフォームという導線を設計しているのに、実際はサービスページ → ブログ → 離脱というパターンが多い場合。

サービスページのCTAの文言や配置が弱い可能性がある。

よくある失敗と注意点

失敗1:コンバージョンを設定せずに半年放置

これは冒頭でも触れたが、最も多い失敗だ。

UAからGA4に移行したとき、コンバージョン設定は自動では引き継がれない。

GA4側で改めて設定する必要がある。

半年後に「データを見よう」と思っても、コンバージョンデータがゼロでは何も分析できない。

GA4を導入したら、まず最初にコンバージョンを設定する。これが鉄則だ。

チェックポイント:

  • GA4の管理 → イベント → 「キーイベントとしてマーク」がオンになっているイベントがあるか確認
  • リアルタイムレポートでテスト送信して、イベントが計測されるか確認
  • GTMを使っている場合、GA4のタグが正しく発火しているかプレビューモードで確認

失敗2:UAの指標をGA4で探し続ける

「直帰率はどこ?」「ページビュー数はどこ?」

この質問をしている時点で、GA4の思想を理解していない。

GA4にも直帰率はある。2023年のアップデートで追加された。

ただし、GA4の直帰率は「エンゲージメントのなかったセッションの割合」だ。

UAの直帰率とは定義が異なる。

UAの直帰率:1ページだけ見て離脱したセッションの割合

GA4の直帰率:エンゲージメントのなかったセッションの割合(10秒未満の滞在 かつ 1ページのみ かつ CVなし)

つまり、GA4の方が「直帰」の基準が厳しい。

UAで直帰率60%だったサイトが、GA4で見ると直帰率40%になることもある。

数字が変わっただけでサイトの質は変わっていない。

だから、UAの数字とGA4の数字を直接比較しても意味がない。

GA4を使うなら、GA4の指標体系で考える。

エンゲージメント率を中心に据えて、UAの指標は忘れる。これが正しいアプローチだ。

失敗3:データを見るだけで終わる

GA4のレポートを見て「ふーん、直帰率45%か」で終わり。

これが一番もったいない。

データは「見る」ものではなく「使う」ものだ。

よくある「見るだけ分析」のパターン:

  • 毎週レポートを見ているが、何も変えていない
  • 数字が下がったことには気づくが、原因の特定までやらない
  • 報告書にGA4のスクリーンショットを貼って「分析しました」と言う

データを見たら、必ず「So What?(だから何?)」と「Next Action(次に何をする?)」を考える。

改善の3ステップ:

  1. 事実の確認: エンゲージメント率が先月比で5%下がった
  2. 原因の仮説: 新しく公開したブログ記事のエンゲージメント率が低い? → ページ別レポートで確認
  3. 改善アクション: 該当ページのファーストビューを修正して、来週のデータで検証する

このサイクルを回すことが、GA4を「使いこなす」ということだ。

失敗4:レポートのカスタマイズを知らない

GA4の標準レポートは、デフォルトのままだと情報が不足していることがある。

例えば、「ページとスクリーン」のレポートにはデフォルトで「ランディングページ」のディメンションが入っていない場合がある。

これはカスタマイズで追加できる。

カスタマイズの手順:

  1. レポートを開く
  2. 右上の鉛筆マーク(カスタマイズ)をクリック
  3. ディメンションや指標を追加・削除
  4. 保存

知っているかどうかだけで、見えるデータの範囲が変わる。

GA4のレポートカスタマイズは、地味だが覚えておいて損はない。

失敗5:GA4と広告アカウントを連携していない

Google広告を運用しているなら、GA4とGoogle広告のアカウントを連携させるのは必須だ。

連携すると以下のメリットがある。

  • GA4のオーディエンスをGoogle広告のリマーケティングリストとして使える
  • Google広告のコストデータをGA4で確認できる
  • GA4のコンバージョンデータをGoogle広告にインポートできる

連携していない場合、GA4の「集客 → Google広告キャンペーン」レポートが空になる。

せっかくのデータを活用できていないことになる。

連携手順:

GA4の管理 → Google広告のリンク → リンク設定から対象のGoogle広告アカウントを選択。

設定自体は5分で終わる。やっていない人は今すぐやるべきだ。

GA4を「改善ツール」として使うための思考法

ここまで5つの指標と3つの探索テンプレートを紹介した。

最後に、GA4を使う上で持っておくべき「考え方」を2つ伝えておく。

考え方1:「比較」しないデータに意味はない

「今月のセッション数は5,000」

この数字だけ見ても、良いのか悪いのか判断できない。

データは「比較」して初めて意味を持つ。

比較の軸は3つある。

| 比較の軸 | 例 |

|:——–|:—|

| 時間軸 | 先月と今月、前年同月 |

| チャネル軸 | Organic Search vs Paid Search |

| ページ軸 | トップページ vs サービスページ |

GA4のレポートには「比較」機能がある。

期間の横にある「比較を追加」をクリックすると、前期間との比較データが並んで表示される。

この機能を使わずにGA4を見ている人は、データの半分しか活用できていない。

考え方2:週1回15分の定点観測で十分

GA4を毎日見る必要はない。

中小企業の場合、週1回、15分の定点観測で十分だ。

週次チェックリスト(15分で終わる):

  1. 今週のセッション数とエンゲージメント率を確認(2分)
  2. コンバージョン数を流入チャネル別に確認(3分)
  3. ランディングページ別のパフォーマンスを確認(5分)
  4. 異常値(急な増減)がないかチェック(3分)
  5. 改善アクションを1つだけメモする(2分)

これだけでいい。

毎日30分見て何もアクションしないより、週1回15分見て1つ改善する方が100倍価値がある。

俺自身、クライアントのGA4チェックは毎週月曜の朝に15分で終わらせている。

その15分で見つけた「漏れバケツ」を潰すだけで、月のコンバージョン数が20%増えたケースがある。

大事なのは、頻度ではなくアクションだ。

まとめ

GA4で追うべき数字は5つ。

  1. エンゲージメント率 ——ユーザーが意味のある行動を取ったかの指標
  2. セッションあたりのイベント数 ——サイト内での活動量
  3. コンバージョン数(キーイベント数) ——ビジネス成果の直結指標
  4. 流入経路(チャネルグループ) ——どこから来ているかの全体像
  5. ランディングページ別パフォーマンス ——穴の空いたバケツの発見

全部見ようとしなくていい。

この5つだけ追って、週1回15分、1つの改善アクションを実行する。

まず最初にやるべきは、GA4のコンバージョン設定が正しくできているかの確認だ。

コンバージョンが計測されていなければ、何を分析しても意味がない。

今すぐGA4の管理画面を開いて、キーイベントの設定を確認してほしい。

文字数:約9,200字

執筆者:ライターエージェント(Claude Code)